11.1 英語の勉強法:英単語/英熟語/英文法/英文解釈
更新日 2021年6月6日
小さい子供が英語を学ぶならば、リスニングや音マネから始めるのがいいという説もあります。
しかし日本語を通して言語を確立した高校生は、単語/熟語/文法/英文解釈 ⇒ 長文/リスニングの順番が基本的には近道です。
英文を読むには、まず最小単位である英単語/英熟語を覚える必要があります。
極端なことを言うと、ある程度の英単語/英熟語を覚えるだけで、なんとなく長文の意味も分かるようになってきます。
参考までに、関関同立/上智MARCH/早慶/旧帝一工(除東大京大)/東大京大の合格者が使用した英単語帳をまとめました。
難関大合格者も応用レベルの英単語帳ばかりをこなすのではなく、標準レベルの英単語帳をしっかりこなしていることが分かると思います。
これをもとに単語帳/熟語帳の例を挙げますが、学校で指定されている単語帳/熟語帳があるならそれでも構いません。
<英単語帳 入門レベル 例>
- システム英単語Basic(駿台)
- 速読英単語 入門編(Z会)
- 英単語ターゲット1400(旺文社)
<英単語帳 標準レベル 例>
- システム英単語(駿台)
- 英単語ターゲット1900(旺文社)
- 速読英単語 必修編(Z会)
- DUO3.0(アイシーピー)
<英単語帳 応用レベル 例>
- 速読英単語 上級編(Z会)
- 鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁(KADOKAWA)
<英熟語帳>
- 速読英熟語(Z会)
いけると思った人は入門レベルは飛ばして、標準レベルから始めてください。
英単語の覚え方は以下を参考にしてください。
⇒<8.3 英単語の覚え方>
なお、英単語に過度に時間を使いすぎないように気を付けてください。
受験生の中には、英単語に必要以上にハマってしまう人がいます。
英単語は深く考えなくても勉強できますし、時間を掛けた分だけ成果が出たように感じるので、ついつい英単語にハマってしまいます。
ですが覚えた英単語が一定量を越えたら、合否を分けるのは単語量ではなく、英文の読み方です。
どれだけ英単語を覚えても、難関大では初めてみる英単語も出てくるために、単語量を増やすよりも読解力を上げて、文章の構造から『単語を推測する力』が求められるようになるためです。
難関大に合格した人は英単語帳を平均で2.38冊こなしていましたが、不合格だった人は2.66冊でした。
合格者の方が、こなしている英単語帳の数が少ない、ということを覚えておいて下さい。
(あくまで2冊程度はこなした上でのその先の話です)
そのぐらい英単語にどハマりして、勉強の時間配分を間違える人は多いです。
まず、関関同立/上智MARCH/早慶/旧帝一工(除東大京大)/東大京大の合格者が使用した英文法問題集を紹介します。
これをもとに英文問題集/参考書の例を挙げますが、学校で指定されているモノがあるならそれでも構いません。
<英文法 問題集 例>
- Next Stage英文法語法問題(桐原)
- Vintage(いいずな)
- スクランブル英文法・語法(旺文社)
- 頻出英文法・語法問題1000(桐原)
<英文法 参考書 例>
- 総合英語Evergreen(いいずな)
- チャート式 基礎からの新々総合英語(数研)
オススメの英文法の勉強法としては、問題集1冊を解きながら覚えて、分からないところは参考書を辞書代わりにして調べます。
英文法問題集は間違えた問題だけを最大3巡繰り返します。
⇒<8.1 最重要の勉強法!同じ問題集を繰り返す>
1巡目は間違えても構わないので、解答を読んで勉強するつもりで解き進めます。
解答を読んでも分からなかったところは参考書の該当する箇所を数ページ読みます。
また、英文法の選択問題を解くときには、答えがあっていたかだけではなく、「なぜその答えが正解で、他の答えが不正解であるか」を説明できるようにすると力がつきます。
この意識があるかないかで、類題への対応力を含めて、大きな力の差が生まれます。
文法が終わったら英文解釈の問題集をやります。
『英文解釈』という言葉を聞くのが初めての方もいると思います。
『英文解釈』は、英文法と英文読解の間に位置し、英文法を駆使して正しく英文の意味を把握する技術、というイメージです。
英文法の問題ではどの文法がポイントになっているかは問題から明らかですが、長文読解の中ではどの文法のポイントを持ち出すかを判断しながら読んでいく必要があります。
その意味で『英文法』と『英文解釈』が区別されています。
例えば「英単語と英文法をマスターしたはずなのに長文読解や和訳の点が伸びない」という人は、取り組む価値があると思います。
ただし英文法や和訳や長文読解を高いレベルでやりこむことで、『英文解釈』問題集をこなさないまま難関大に合格する人もいます。
その証拠に、以下の英文解釈問題集の使用率を見ると、全体的に英文法問題集より使用率がかなり低いことが分かると思います。
まずは英単語と英文法を優先的にこなし、時間に余裕がある人は英文解釈問題集を経由し長文読解に入り、時間に余裕がない人は長文読解をこなしながら必要性を感じたら英文解釈問題集に手をつけるのもアリだと思います。
参考までに、関関同立/上智MARCH/早慶/旧帝一工(除東大京大)/東大京大の合格者が使用した英文解釈問題集を紹介します。
<英文解釈 問題集 例>
- ポレポレ英文読解プロセス50(代々木)
- 基礎英文問題精講(旺文社)
- 英文解釈の技術100(桐原)
- 基礎英文解釈の技術100(桐原)
英文法問題集と同様に、最低2巡、最大3巡やります。
⇒<8.1 最重要の勉強法!同じ問題集を繰り返す>
英文解釈の学習における理想は、SVOCなどの文形、so that構文、従属節、関係代名詞などをマスターして文章を見た瞬間に構造が分かることです。
長文を読むときに、これらに意識を割かれながら読むとかなりスピードが遅くなるので、無意識にでも読めるまで文法と英文解釈をやりこむのが重要です。
以降は長文/リスニング/英作文/過去問を解く中で、分からない文法/英文解釈が出てきたらその都度に復習し、文法のためにまとまった時間を取るのは減らしていきます。
本コラムのまとめ
- 英語は単語/熟語/文法 ⇒ 長文/リスニングの順番で勉強するのが効率的。
- ①英単語帳を覚える(目安は2冊、最大でも3冊に抑える)。
- ②③無意識でも読めるまで、英文法/英文解釈をやりこむ。